前回は「帯留めの歴史」について触れましたが、今回はかんざしの歴史を少しだけご紹介したいと思います。
普段目にする「かんざし」が、どのようなかたちで現代へ受け継がれてきたのか――その一説をたどってみましょう。
かんざしの起源は、なんと縄文時代までさかのぼると言われています。
この時代、先の尖った棒には「魔除けの力」があると信じられており、髪に挿して身を守るお守りとして使われていました。
これが「髪挿し(かみざし)」、やがて「かんざし」の語源になったと考えられています。
・奈良時代:中国からの文化の影響で飾りとしての簪が普及。
・平安時代:髪をおろすスタイルが主流になり、一時的に衰退。
・中世(鎌倉~室町):髪型の変化で再び使用が増え、装飾性が高まる。
・安土桃山時代〜:結髪の流行とともに実用・装飾を兼ね備えた簪が登場。
・江戸時代:日本髪が華やかに発展し、多様なかんざしが流行。現在の簪の原型が確立。
現代では、和装のときの髪飾りとしてはもちろん、カジュアルに楽しむアクセサリーとしても、少しずつ見直されはじめています。
※かんざしの歴史には諸説ありますが、今回はそのひとつの流れをご紹介しました。

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