制作に没頭していると、つい時間を忘れてしまいます。
気づけば昼ご飯を食べずに、何時間も手を動かしていた……なんて日もしばしば。
だからこそ、ひと息つく時間は、とても大切にしています。
最近のお気に入りは、朝一番の朝日が工房に差し込む瞬間。
静けさの中に差し込む光に照らされて、道具や素材たちが静かに輝くその景色に、心がすっと落ち着きます。
今日も一日、丁寧に向き合おうと思える時間です。
そして夕方になると、温かいお茶を淹れて、ほんの少し手を休めます。
このひとときには、昔、師匠のもとで学んでいた頃のことを思い出します。いつも夕暮れどきになると、師匠が静かにコーヒーを淹れてくださり、そのぬくもりと香りに、心がほぐれたものでした。
今でも、湯気の立ちのぼるコップを手にしながら、ぼんやりと外を眺めたり、仕上がった作品にそっと目をやったり——
そんな何気ない時間が、気づけば、次の制作への力をそっと与えてくれています。

作品のこととは少し離れた話ですが、
こうした日常のひとこまも、きっとものづくりの大切な一部なのだと思います。